橘寛基の『ブログ de Gamersta!』

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 第110回 PS3に策なし・・・?

<<   作成日時 : 2007/09/23 13:54   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

23日まで開催された東京ゲームショウ2007に関して、筆者なりの考察を数回に渡ってお伝えしたい。まずは前回注目した基調講演から。

▼ネタがない!

その時、しらっとした空気が流れた。東京ゲームショウ(TGS)の初日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の平井一夫社長による基調講演が終わった、その瞬間である。前回の当コラムでも触れたとおり、あの場に駆けつけた人達の全てが何らかの大きな発表があることを期待していたはずだ。

 だが発表された新しい情報は、PS3用の振動コントローラとイギリスのソフト会社を買収したこと、そして仮想空間「Home」のサービス開始延期くらい。PS3とPSPの連動デモもあったが、後はSCEの方針など考え方が語られるだけだったのだ。加えて言えば、TGSの基調講演らしくゲーム自体の未来や業界の方向性を語ることさえなかった。

 正直言うと早起きして幕張まで来る価値のない内容で、「俺の1時間半を返してくれ!」と言いたいくらいだ。会場で会ったゲーム専門誌の編集者からさえも、「ネタがない!」「こんな基調講演あり?」などの声が聞こえてきた。


▼PS3の価格は?

この講演で一番期待されていたのは、PS3の価格戦略についてである。いまだ49,800円(20GBタイプ)という価格は、他機種より高くゲーム機としては割高感が付きまとう。もちろんそれだけのコストがかかっておりどんなゲーム機より高性能なのはわかっているが、この価格ではいくら平井社長が「ゲーム機としての原点に戻る」と言っても、ゲーム機として一般には普及するものではない。

 「コスト削減を一層進める」という発言はあったものの、なぜここで価格にもっと言及できなかったのだろう。


▼500万台強 気になる数字

基調講演の中に気になるグラフがあった。平井社長がPS3の台数としてスクリーンに映し出したグラフであり、その数字が2007年8月で500万台強になっていたのだ。細かい数字が入っていないものであるが、せいぜい530万台程度のところで折れ線グラフが止まっている。しかし従来のSCE発表では、PS3の全世界出荷台数は2007年3月末で550万台であったはずだ。

 そう思って調べてみると、PS3の全世界売上げ台数は3月末段階で357万台。つまりこの段階で既に200万台近い在庫を抱えていたのである。その後は出荷台数は発表されていないが、販売台数は6月末で428万台と公表されていた。グラフは出荷ではなく販売台数で、8月に500万台をやっと超えたという発表であったわけだ。

 また調査会社のデータでは、日米欧の主要3地区で7月末(日本のみ8月末)のPS3累計販売台数は約370万台と推定されている。従来からPS3は実売数と出荷数に大きな差があり、流通在庫が大量にあると言われていたがそれが裏付けられたわけである。4月以降は生産調整を行っているであろうが、現在もまだ少なくい在庫があることが推定される。


▼値下げの可能性は?

ではPS3に値下げはないのか。あくまで筆者の予想であるが、年内に実質的な値下げが行われる可能性があると考えている。その根拠は北米市場と前述の在庫だ。SCEは北米市場に8月、ハードディスク容量が80GBタイプの新型PS3を投入した。それに伴って従来の60GBタイプを100ドル値下げしたのだが、この値下げは実質的に在庫処理であったようなのだ。

 ネットワークサービスを強化しソフトのダウンロード販売を積極的に進めたいSCEとしては、ハードディスクの大容量化は必然である。今年6月にPS3を発売した韓国では80GBタイプのみの発売であるし、日本でも近く80GBタイプやそれ以上のものが登場してくることは充分考えられる。そのときアメリカ同様に、旧タイプとなる現行機種が実質的に値下げされるのではないだろうか。特に60GBタイプは元々オープンプライスであり、値下げ発表をすることなしに実質的な市場価格を下げることも可能だ。

 12月に発売される自社タイトル「グランツーリスモ5 プロローグ」と同時に新型PS3を市場に投入し、同梱のお買い得パックも登場、そして旧型機の値下げというシナリオは充分ありえるよう思う。年内に新型の投入はないとしても、新型投入前に旧型の値下げによる在庫処理が行われる可能性もある。


▼発表のタイミング

だが価格改定は匂わせるだけでも、商品の売れ行きが止まる可能性が生じるものだ。昨年久夛良木氏が値下げ発表したときは商品自体が発売前であったから何の問題もなかったが、価格の発表手法やタイミングは本来非常に難しい。平井社長に策がなかったのではなく、策はあるのだが今回はまだ明らかにできなかっただけかもしれないし、そう信じたい。

 それにしても実質的に世界ナンバーワンのゲーム見本市となった東京ゲームショウの基調講演なのだ。そして今年の大きなテーマは、情報発信力の強化のはずである。値下げの発表でなくても、大きなニュースになるような内容が含まれていないのは、なんとも寂しいショウの幕開けであった。


設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文