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help リーダーに追加 RSS 第121回 デバッグに終わりなし スマブラXの延期

<<   作成日時 : 2008/01/29 11:11   >>

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▼スマブラXは今週発売

Wii用の注目タイトル「大乱闘スマッシュブラザーズX」(以下スマブラX)の発売が1週間延期され、今週31日となった。発売延期は誉められたことではないが、ゲーム開発には昔からよくある現象。延期が一度ならず、二度三度と繰り返される事もある。このスマブラXも、元々は2007年発売を予定としていたが今年になった作品だ。
 もちろんほとんどのソフトは、完成の目処がたってから発売日を決めている。だがそのソフトが大作であればあるほど、発売延期のリスクも高くなる傾向がある。


▼企業の理論

理由のひとつは、企業の戦略的な意味合いだ。大作、超大作と言われるソフトはハードウェアの販売にも影響し、マーケットの動向を左右する。発売時期を含めたソフトの情報を早めに開示する事で、ユーザーの注目を集めハードへの期待感を高める効果もある。スマブラXも当初はWii普及のための戦略ソフトとして、07年末に登場する事が期待されていた。また、広告戦略的にもテレビCM枠や雑誌の誌面等を押さえる必要上、発売タイミングは大作ソフトであればあるほど早めに確定する必要がある。
 ふたつ目は企業の決算的な事情。大作ソフトは開発予算も高く、たくさん売れる事が期待されるため企業業績に影響する。どのタイミングで発売されるかで業績が変化し、株価にも影響するわけだ。証券アナリストや投資家向けに、情報の開示を早めに行うのが上場企業の義務でもある。ちなみにスマブラXは業績絶好調の任天堂が発売元であり、この点はまるで関係ないだろう。だが中には、株価対策のために出る可能性はほとんどないのに、決算までに発売されるふりをしたのでは?と疑いたくなるソフトもある。
 この二つの理由から大作ソフトは完成の目処がたっていなくても、発売時期が見込みで発表される事が少なくない。ゲームソフトの開発と販売がビジネスである以上やむを得ない部分もあるが、現場の開発者からすれば、「こんなに早く発表しなくても…」と思うこともあるだろう。


▼天文学的なデバッグ

もうひとつ大作ソフトの発売が遅れがちな理由に、デバッグがある。ゲームはその分量が多く複雑であればあるほど、プログラムが正常に作動するかどうか確認する作業、つまりデバッグも大量になる。
 例えばスマブラXの場合、現在発表されているキャラクターだけで25種類、そしてそれらが戦う舞台が23ステージある。つまり4人対戦の組み合わせを試すだけで、25×24×23×22×23、約700万通り試さなくてはいけない。これを1分ずつやるだけで約11万7千時間かかる。仮に100人で24時間プレイしても約50日、もし実際に4人で試せば200日程必要になる。
 他にも様々なゲームモードもあれば、当然未発表のキャラクターも存在するだろう。コントローラのタイプや技の組み合わせ、ネットワーク接続など、チェックする必要のある項目は天文学的な数字になるはずだ。これを全て綿密にデバッグするとしたら、その時間と人件費はどの程度必要なのか想像さえ難しい。
 ちなみに1999年に発売された最初のスマブラの基本キャラクターは、わずか8種類。ゲームを大容量にし豪華にした事で、開発者の仕事が膨大に増えたであろう事が想像できる。
 またバグの中にはゲーム内の特定の場所で、普通やらないような操作をする事で発生するものもあるし、あるバグを修正した事で新しいものが発生する可能性もある。ある意味デバッグは、全てのゲームソフトにとって終わりのない作業とも言えるのだ。もしかしたら発見できていないバグがあるかもしれないが、どこかで発売に踏み切らなくてはならないわけである。


▼終わり無きゲーム開発

もちろん今回の発売延期の原因が、デバッグ上の問題とは断定できない。だがデジタルデータであるゲームソフトは、その気になれば無限に修正を繰り返す事が出来る。開発者のこだわりとあきらめのせめぎあいとも言えるものが、発売延期の陰にはあるのだろう。
 ハル研究所を退職した桜井政博氏が、任天堂に請われて開発した作品である「大乱闘スマッシュブラザーズX」、様々なこだわりが詰まっていることであろう。一週間分余分に期待して、発売を待ちたい。

スマブラX公式サイト「スマブラ拳」
http://www.smashbros.com/jp/

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